実際に起こった電気事故/火災へのYMモデルの立場での見解

北海道電力ブラックアウト(2018年9月)

アーク放電研究者として、2018年北海道電力ブラックアウトから学ぶべきことを考える

2018年9月6日未明、北海道胆振東部地震(M6.7)が発生し、その影響で北海道全域が停電する「ブラックアウト」が発生しました。日本で初めての全域停電でした。

『ほとんどの火災は、わたしたちが注意をすることで防げます。自分や家族の命を落としたり、大切な財産を失うことがないように、火災を防ぐためのポイントをきちんと学び、日ごろからみんなで注意し合うようにしましょう。』
;浦和市HPから

火災を事故に置き換えても当てはまる大切な指摘!

ブラックアウトに関して、上記の膨大な報告書があります。いずれも、電力の『 周波数』に着目した視点での解釈・対応です。
小生らは、長い間、電流が想定外の空間を激しく時間変化して流れるアーク放電を研究してきた。その視点で、北海道電力ブラックアウトから学ぶべきことを考えている。

北海道ブラックアウトを激しい時間変化現象として考えたこと

【筆者の周波数に関する理解;周波数は、急激な機械的事故や故障、短絡電流や地絡電流など瞬時的な異常時の判断指標ととして用いるには限界がある。大地震の機械的応力や振動の過渡現象と、大規模火力発電所の急停止という電気的な過渡現象の組み合わせとして考える視点があってもいいのではないか?!

① 大電力火力発電機が地震による機械的出力断(急減‣瞬時)によって、配電路の広範囲に多数の短絡、地絡が発生したのでは?

② UFR動作を検討する需給バランスは過渡現象としてとらえて、地絡、短絡電流を需要側に加えるべきではないのか?
過渡現象の立場では、発電量が需要を下回った異常状態では、電流遮断器などでの遮断動作が困難(不可能)になる場合が想定されるのではないか?

① 高出力火力発電が地震の機械力で出力瞬断/急変し、配電路中の広範囲に多数の短絡、地絡(アーク放電)が発生したのでは?;地震との相乗効果も?;YMモデルでの想定

図:高出力火力発電が地震の機械力で出力瞬断/急変し、配電路中の広範囲に多数の短絡、地絡(アーク放電)が発生したのでは?

② 発電量が需要を下回った状態を過渡現象の立場でどのように考えるか

(1)需要量に短絡・地絡の電流を加えるべきではないか?

図:需要量に短絡・地絡の電流を加えるべきではないか?

(2)発電量が需要を下回った異常状態では、電流遮断動作が困難(不可能)になり、発電機損失が増加する場合が想定される。

図:発電量が需要を下回った異常状態では、電流遮断動作が困難(不可能)になり、発電機損失が増加する場合が想定される。

③アーク放電(短絡・地絡)の停止のメカニズムを考える。

図:アーク放電(短絡・地絡)の停止のメカニズムを考える。

大電流のアーク放電は自己停止する。➡急な電流遮断は波及事故発生の可能性がある。